人気ブログランキング | 話題のタグを見る

 転勤族だった私は、何処に立っても山と川の望める風光明媚な町(金沢)での暮らしの中で、新聞の投稿が始まりました。徒然は私の宝物です。花の画像は庭の花です。
by violasan
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31


 46歳の手習い

  46歳の手習い _c0051044_9531429.jpg
平成10年12月11日北国新聞掲載

 年の初めに、「今年こそは毛筆の手習いをして年賀状の宛名を書こう」と決める。そして、今年も不発に終わった。
 温もりのある年賀状をだすことを信条としてきた。版画刷りをした葉書に、下手でも一枚一枚手書きで宛名を書いてきた。そんな私が、今回はワープロを使うことにきめた。
 二年前から日々の感動や心の重しを文章に書きとめている。体裁よく残したいと思い、機械音痴なこの私が、この夏、一大決心してワープロを購入した。説明書を読むのもまどろっこしく、すぐ、スイッチを入れた。説明書を開くと、「フロッピー」「実行」などの言葉の羅列、まるでちんぷんかんぷん。
 46歳の手習いだ。
 昼時も忘れて三枚の原稿の入力を終えたのは、夕暮れ時だった。我ながらの感激だ。とこのが、その喜びも束の間、やっと、打ち込んだ文章が流れていく。手の打ちようがなく、ボウ然ととした。翌日残ったのは首のこりだけだった。
 年賀状の季節を迎えた。ワープロに負けたまま年は越したくない。
 兎年のイラストを描いた。住所録を入力した。レイアウトも決めた。さあ、いよいよ印刷だ。
by violasan | 2005-02-06 09:55 | 徒然
<< 心の拠り所となる空間に みすずさんの詩の優しさ >>