転勤族だった私は、何処に立っても山と川の望める風光明媚な町(金沢)での暮らしの中で、新聞の投稿が始まりました。徒然は私の宝物です。花の画像は庭の花です。
by violasan
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ショコラ

2003年2月8日の日記


ショコラ
娘のお勧めのビデオを観た。
素敵においしい映画である。登場するたくさんのショコラ(チョ コレート)はどれも実においしそうで、見ているだけで生唾が出てしまう。 ストーリーは一見単純である。ショコラがもたらす出会いと幸せを描いた映画だ。
フランスの田舎町に、赤いマントを着た謎めいた女性 ヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)が幼い娘を連れてやってきた。彼女はその町 ではじめてのユニークなショコラショップを開店する。 秘伝の腕でつくるそのショコラは、さまざまなバリエーションがあって、彼女 は客の好みに合わせて上手に勧める。最初は遠巻きにしていた住人たちも、たちまち その味に魅せられてしまう。味はもちろんの事、チョコレートを通して彼女の思いが客に伝わった。 ショコラが町民の自我を解放していくことで町はすこしづつ変化していくのだっ た。
しかし、よそ者の彼女の定着をこころよく思わず、店に反感を抱く人たちもいた。 旧秩序を守ることに汲々としている資産階級の町長もその一人で、なんとか彼女を追 放しようと手段を尽くす。
そんな中、漂泊の船上生活者の一行が町を流れる川のほ とりに住みついたのだ。とかく白い目で見られる彼らジプシーに対して、もともと旅 人だった彼女はやさしく接する。漂泊グループの若いリーダー、ルー(ジョニー・ デップ)と彼女との一夜の恋もあったり。
大家さんである老婆がこの世をたったのも、糖尿の老婆にショコラをたくさん進めたからと、町民に責められるなどの心痛に、いったんは店をたたんで町を出ようとまで思いつめた。が、ショコラの美味しさを知った町長と の戦いに勝って、町に残ることになった。
よそ者を拒む町民にジプシーたちのテントは焼かれてしまったため出て行った漂泊者のルー も戻ってきて……というお話だ。
食べものがふんだんに登場する映画はたくさんあるが、ショコラをこれでもか、 これでもかとこんなに見せつける映画は珍しいのではないか?
この映画の見所は多いが、そのひとつは、おいしいショコラが人々の意識や生活 まで変えていくところにある。倦怠期の夫婦に愛が戻り、隣人とのいがみ合いが無く なり、老人は若き日のロマンスを思い出す。たかがショコラだが、まさに幸せを 売るチョコレートという設定だ。 そしてもうひとつは、漂泊生活者のスリルだろう。もともとヴィアンヌ自身が流れ者 なのである。彼女はどこへいっても常によそ者を貫き通してきた女性だ。それに加え て、ジプシーの一行、なかんずくそのリーダー、ルーの登場で、観客はまた「いつ彼 はいなくなるのか、二人の仲はいつまで続くのか」ハラハラすることになる。
ここにおいて、ハルストレム監督がこの映画で訴えたいもうひとつのテーマが明らかになる。すなわち、人は旅をするように生きているということであり、それは誰にも 通じているのではないかということだ。人と人との出会いと別れなんて、河を流れる木の葉のようなものではないかという問いかけである。 甘いチョコレートを素材にして、ピリッと辛い人生の断面を描き出している。

もうすぐ、バレンタインですね。本命チョコだの、義理チョコだのと騒ぐ前にお勧めのビデオですよ。

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by violasan | 2005-02-14 20:43 | 我町
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